2016年2月27日土曜日

世界遺産マントヴァに行かねばぁ!

 <親子二人の宮殿が競い合う街!>

*平野が広がるイタリア北部・ロンバルディア地方とその周辺は、昔から農業が盛んな豊かな地域で、現在でも、各種の製造業、先端産業、ファッション産業等が盛んです。
 聞いたところでは、北部だけなら一人あたりのGDPは、日本に引けを取らないとか・・・・?
 その豊かな北部には中小の歴史ある街が沢山あります。その一つのマントヴァが今回訪れた街です。

 フィレンツェからマントヴァに行くにはボローニ

ャとモデナで乗り換えねばなりません。

 モデナで1時間以上時間があったので、かつ

てモデナを治めていたエステ家の居城だった

ドゥカーレ宮殿(現在は陸軍幼年学校)を訪ね

て見ました。





 秋に訪れた時には中を全くのぞくことが出来

ませんでしたが、この日は入り口付近だけ開放

中で、訓練の様子をビデオで見ることが出来ま

した。

 このモデナのエステ家は、イタリア北部を代表

する名門貴族で、かつては隣のフェッラーラを

治めていました。





 こちらはマントヴァの郊外にある「テ離宮」。

 エステ家からゴンザーガ家に嫁いだイザベッ

ラ・デステの息子のフェデリーコが、人妻である

愛人のために作ったという夏の宮殿です。









 庭園や、周りをめぐらすお濠が美しい所です。

 「愛人」のためにこんな立派な宮殿が作れた

のは,ゴンザーガ家の財力と、名門から来た母

の名声があったので勝手な事が出来たのでは

と、推察します。







 宮殿の中はかなり広く、エジプトからの出土品

のコレクションもありましたが、やはり目を引い

たのは壁を彩るフレスコ画。

 「馬の間」には、こうした馬の絵が一杯。ゴン

ザーガ家の人々は、馬をとても大切にしていた

そうです。





 もう一つが「巨人の間」。見る人を圧倒する迫

力あります。













 この宮殿のフレスコ画は、かなり修復が進んでいて、カラ

フルで、とても楽しめます。

 

 余りに「息子」の宮殿が立派なので、「父」の宮殿がかすむ

のではと心配したら、そんな心配は無用でした。











 
 こちらがゴンザーガ家のマントヴァの街の中

心、ソルデッロ広場です。中央に見えているの

がドゥーモ。右がドゥカーレ宮殿、その奥がサ

ン・ジョルジョ城です。









 近くにはエルベ広場やラジョーネ宮もあり、マ

ントヴァが繁栄した街であることが良くわかりま

す。










 宮殿の中は、城や教会も合わせると500位の

部屋があり、ゆっくり見たら1か月は必要とか。

 

 部屋もスゴイのですが、途中の廊下も何とも

豪華です。(こんな豪華な廊下は初めて!)







 それぞれの部屋の装飾も個性的です。

 ここは「宇宙の間」。













 それに工芸品や調度品も豪華です。

 象牙の工芸品や、「タペストリーの間」、それに著名な画家

たちの絵画が集められた、]宮殿内の「美術館」もありまし

た。














 ゴンザーガ家の人々は考古学が好きだったようで、エジプ

ト・コレクションや、ギリシャ・ローマ時代の彫刻なども数多く

展示されていました。



 宮殿の中には幾つか中庭があります。ここも

高さから推測して、日本でいう「二階」にしつら

えられた庭園です。

 日帰りだったので急ぎ気味に廻りましたが、見

学に丸一日はかけたい宮殿でした。







 帰りにお菓子屋さんをのぞいたら、カルネヴァ

ーレの時期などに食べる、太目のパスタを揚げ

て砂糖を振り掛けた「チェンチ」が山盛りになっ

ていました。

 思わず試し買いをしたら、軽い感じでとても美

味でした。





 マントヴァは旧市街が運河に囲まれていまし

たが、今は道路になっているところが多く、昔の

風情を残したところをカメラに収めました。

 イタリア北部の「世界遺産」の街の中でも見応

えのある街で、再訪したい街の一つです。



























































































2016年2月22日月曜日

世界遺産の街 ウルビーノは崖の上の街!

  <ウルビーノは美しすぎて?疲れる街>

*ヴェネツィアのカルネヴァーレの報告を先にしたので掲載が遅れましたが、先日お伝えした
 サン・マリノの翌日に訪れたウルビーノの旅の報告です。
 イタリアの典型的な歴史ある地方の中小都市で、「世界遺産」でもある街の一つです。日本でいえば萩・津和野、あるいは岐阜県高山市辺りに近いかも?



 今回は鉄道駅のないサン・マリノとウルビーノ

を訪ねる旅だったので、中間の鉄道拠点の街、

リミニに宿をとりました。

 ここは夏場のリゾートとして有名な街で、夏は

ヨーロッパ各地からの観光客で賑わうそうで

す。







 でも1月~2月は御覧のように閑散として、静

かそのものです。

 その分、朝の散歩などではゆったりできて、砂

浜も独占して、ある意味最高です。











 私たちが泊まったホテル・プレジデンテは、海辺から30メ

ートル。 4つ星ホテルで、最上階にはプール、その下には

ジムも備えていました。

 しかし、冬場は完全オフシーズンなので、料金はツイン

で、約7千円というお安さ。しかもちゃんとした朝食つきでし

た。









 栄養をしっかり補給した後、まずは鉄道で25

分のペサロ駅へ。駅前からは急行バスで約50

分で、ウルビーノの城門前に到着です。

 ちらっと見えている円柱状の塔はドゥカーレ宮

殿のシンボルの一つです。








 
 ウルビーノの街は12世紀ごろ、モンテフェルトロ家という

公爵家が治めていて、15世紀のフェデリコ公の頃にルネッ

サンス文化が最高に栄えたことで知られています。
 
 ヨーロッパ各地から学者や芸術家が集まり、ここの宮廷で

生まれた礼儀作法が各地の宮廷に広まったのだとか。






 城門をくぐると、まるでスキー場のような急な

スロープの坂道が続きます。実は旧市街の中

には二つの丘があり、その片方に宮殿がある

のです。

 なので、坂道を登った中央広場付近は、周り

の城壁から見るとまだ低地で、そこから更に左

右に登らねばなりません。





 街の北側、パノラマ通り近くから見たドゥカー

レ宮殿です。その美しさから「神の建築」と呼ば

れたそうです。

 基本は15世紀のルネッサンス様式です。




 




 街の中心部にあるレップブリカ広場です。

 ここの周辺だけが平地でした。















 このウルビーノは、ルネッサンス期の画家、ラファエロが

生まれた街としても知られています。

 街で一番高そうな北側のローマ広場に、大きなラファエ

ロの像がありました。















 広場に登る坂の途中に「ラファエロの生家」があります。

 地味で、この旗が無ければ通り過ぎてしまいそうです。

 外見は普通のアパートの様ですが、中は意外と広く、ラフ

ァエロが結構なうちの「坊ちゃん」だったことが分かりまし

た。













 一番の見どころは、ラファエロが14歳の頃?

 ごく初期の「聖母子像」の絵です。

 天才の片鱗が伺えます。












 これがラファエロの自画像です。フィレンツェでも同じもの

を見たので、これは多分複製だと思います。

 でもラファエロがかなり男前だったことが想像されます。

 もっとも自画自賛かも?














 坂道を登ったり降りたりでカロリーを大分消費

したので、トラットリアで昼ごはん。

 何の知識もなく飛び込みで入ったのですが、

これが当たりでした。

 ビールは地ビールらしく、左の方はアルコール

が9%もあるので、酔わないようにチビチビ飲ま

ねばなりません。





 こちらは地元野菜とサルシッチャ(ソーセージ)

のパスタです。

 たっぷりの野菜が甘く感じました。













 こちらは、ゴルゴンゾーラと細ネギのパスタ。

 さっぱりと食べられました。

  どちらも美味で、イタリアのパスタの奥深さを

あらためて感じました。










 いよいよドゥカーレ宮殿(現在は国立マルケ

美術館)へ向いました。

 中は大変広く、古代から中世のフレスコ画、調

度品などが展示されていますが、広さに比べて

展示物が少ないので、少々がらんとした印象で

す。







 ここで有名なのが、このピエロ・デッラ・フラン

チェスカの描いた「セニガッリアの聖母」です。

 見る人の心に響く、存在感のある絵でした。












 ここは寄木細工が盛んで、レベルも高かった

そうで、こんな大物までありました。

 美術館にはあのボッティチェッリの描いた寄木

細工の下絵もあります。










 フレスコ画の大半は、大分剥げ落ちていて、

余り修復も進んでいない印象でした。

 そんな中で可愛かったのが、この暖炉の上の

天使たち?









 ドゥカーレ宮殿の地下は倉庫のようになって

いて、中はがらんどうの部屋が続いていま

す。 

 武器庫か食料庫か知りませんが、「訪れた人

がイメージできるようなものが置いてあるといい

のに」と、勝手に思いました。





 宮殿の隣がドゥオーモ。

 中の白い壁が印象的な美しい教会でした。














 ウルビーノの街の中はルネッサンスの時代の

雰囲気が残っていて、「坂のあるフィレンツェ」の

ようでした。












 上の写真の噴水には、こちらでは珍しい「金

魚」たちがいました!

 ライオン?の顔と相まって面白い感じです。












 帰りのバス停は街の外れにある広場(坂の上

にある)から、エレベーターで降りねばなりませ

ん。

 広場が何と10階の高さだそうで、途中エレベ

ーターを6階で乗り継いで、0階(地上階)まで

降りました。ここは矢張り「坂の上の街」なので

すね。





 ウルビーノの周辺は、緩やかな丘が続いてい

て、ブドウ、小麦、牧草地が広がっていて、この

町を一層美しく引き立てています。

 近くのサンマリノと共に、イタリア中部の丘の

上の街の魅力をたっぷり味わえた旅でした。


















































































































































2016年2月17日水曜日

ヴェネツィアのカルネヴァーレ その2

  <祭りの主役は市民と観光客>



  
 ホテルの値段がバカ高くなるヴェネツィア本島

を避けて、隣のとても静かでリーズナブルなリド

島のホテルで過ごして正解でした。

 リドの港から水上バス(ヴァポレット)で約10

分で本島に戻りました。リドからサンタ・ルチア

駅前まで15分間隔で運行されているのでとて

も便利です。

 

  午前中は本島内の観光です。まず訪れたの

は「アカデミア美術館」。サンマルコ広場の少し

先で、水上バスから降りてすぐでした。

 ここは海運都市・ヴェネツィアを代表する美術

館で、往時のヴェネツィアの豊かな財力が見て

取れるとか。






 ここは14-18世紀にかけての絵画、ヴェネ

ツィア派、トスカーナ派と呼ばれる画家たちの作

品が中心です。

 これはベリーニの描いた代表的な「聖母子像」

です。少し悲しげな表情に見えますね。









 「受胎告知」の場面は様々な画家たちの主要

なテーマになっていますが、良く見ると画家たち

の個性が際立ちます。












 こちらはキリストの「復活?」。

 力強い姿でよみがえっています。














 ラファエロの描く「聖母子」は、マリアの優しい

表情と赤子の可愛さが特徴ですが、ベリーニの

描く「マリア」の目は、将来を見越してか少し寂

しげに見えてしまいます。










 美術館には昔のヴェネツィアの栄華を描きと

めた絵画も多数ありました。

 これもその一つで、現在も街の中心のリアルト

橋の辺りで行われたルネッサンス期のセレモニ

ーの様子です。

 基本的に、この周辺の建物は変わっていな

いことが分かります。



  こちらはサンティ・ジョヴァンニ・エ・パウロ教

会。13-15世紀に建てられた壮大なゴシック建

築です。

 ヴェネツィアを代表する「美術的」な教会で

す。



 中でも有名なのが中央祭壇脇のステンドグラ

ス。

 脇の礼拝堂、洗礼堂の一つ一つが美しく、ま

るで「美術館」のようでした。ある洗礼堂は誠に

静かで、旅の途中であることを忘れるほど心が

落ち着きました。






 午後になって人出が増した中心商店街。

 道が狭いので歩くのも大変です。

 カルネヴァーレも最終日ですから仕方ありま

せんね。










 ところどころにある広場では、仮装用の貸衣

装屋さんが店を開いていました。

 大体30-50ユーロ位(4千円~7千円)で借

りられるようです。

     









  こちらはサンマルコ広場や港の近くの「化粧

屋」さんたち。椅子を並べて、お客さんと向い合

う形で、注文に応じてお化粧してくれます。
 









 お化粧が終わったら、大半の人たちは街の中

心のサンマルコ広場へ向かいます。

 お化粧はしていても、スタイルの良い二人連

れの若い(と思われる)女性は目立ちますね。








 此方は長いくちばしがユニークな二人連れ。

 男女のカップルかも?

 
 せっかく仮装したからにはなるべく注目を浴び

たいものですよね。








 そのためには場所取りが肝心です。

 この二人は港の人通りが多い橋の斜め下で

ポーズをとって、多くのカメラマンや観光客がシ

ャッターを切っていました。










  此方の女の子はお化粧しない方が可愛い!

  服装も、頭の上の飾りも良く似合っていました。








  お昼はリアルト橋の近く、10年前にも訪れ

た「トラットリア・アッラ・マドンナ」へ。

 魚料理が得意な店ですが、この日のアンテイ

パストはパルマの生ハム。

 店から提供されたグリッシーニに巻いて美味

しく食べました。




 こちらはイカスミのパスタ。

 あまりおいしそうなので食べ始めてからの撮

影ですみません。

 臭みがなく、甘みも感じるこの店の一番人気

パスタです。追加で茹で野菜ミストを注文してビ

タミン補給しました。





 隣りのイタリア人女性とフランス人のカップル

と話が弾み、記念の一枚。

 この店のカメリエーレは英語、フランス語、ドイ

ツ語、スペイン語に日本語でのメニュー説明も

してくれます。

 さすが国際観光都市ベネツィアですね。



 夕方のサンマルコ広場に戻ると、マリア・コン

テストで最終審査に残った12人の美女たちが

入場するところでした。

 18-23歳ぐらいのヴェネツィア周辺の女性

から「今年のマリア」に選ばれたのは18歳の女

性でした。





 広場のメインステージから鐘楼に向けて、「ラ

イオン」(ベネツィアのシンボル)を描いた旗がロ

ープ伝いに宙を舞いながら移動します。

 これで主だったカルネヴァーレのイベントは終

了です。

 帰りは再び水上バスで。街の中心でなく、外

回りの2番線で駅に向かいました。



 鉄道のサンタルチア駅と本土は、広い道路と

ともに長い橋でつながっています。

 駅から直ぐ近くが水上バスの発着所です。

 やはりヴェネツィアは、何処にカメラを向けて

も絵になる「格別」な街です。

 周りの島々含めて、是非また訪れたい島で

す。