今回の私たちの世界遺産めぐりの旅の市外への手始めは、斜塔で有名なピサにしました。ピサはフィレンツェからは普通列車で約一時間。日本で言うと東京から鎌倉あたりに行く感じで、十分に日帰り圏内です。
鉄道の切符も切符売り場で並んで買うことなく、駅構内にある売店で、行き先を告げれば買えます。90分以内の所ならどこでも行ける切符で、一人8・2ユーロ(1200円?)でした。
普通列車にしては部分的に2階建ての立派な車両で、日本で言えば急行か、特急列車クラスの乗り心地でした。
ピサに近づくにつれ、川とか沼とかがたくさん見えてきます。フィレンツェを流れるアルノ川の下流で、その河口があるのがピサの街なのです。
昔ピサはヴェネツィア、ジェノヴァ、アマルフィと並ぶ4大海運国だったこともあるそうですが、12世紀頃を過ぎてから衰えて、後にフィレンツェに統合されましたとか。
「斜塔」ばかりが有名ですが、ピサの中心にあるのはカテドラーレ(大聖堂)や、洗礼堂、納骨堂、美術館などが集結した地区です。「斜塔」も元々はその宗教施設群のひとつだったのですが、「5度」傾いたために「世界遺産」になりました。
この辺りは世界各国からの観光客でいっぱいです。今、目立つのは中国人と、ヨーロッパではドイツ人の観光グループでした。
多分、もう日本人は主だったイタリアの観光地は訪ねてしまったのでは?
日本の団体客のピークは過ぎたのかもしれません。
斜塔に昇るには、着いたらすぐ切符を買う必要があります。(18ユーロ)その時に入場時間を指定されます。
切符を買ったら隣のロッカー室に、カメラを除くバッグなど全てを預けなければなりません。恐らくテロ対策でしょう。
斜塔には約30分ごとに40人まで入場可で、入り口で並んで待っていたら、近くに警備兵がいました。その車両などを撮ろうとカメラを向けたら、警備兵に見つかり、カメラをのぞかれて、彼らの写真を消されました。
なのでカッコいい彼らの写真では無く、私の写真で我慢してください。
斜塔の展望テラス?までの階段は220段、展望台からさらに上の鐘の所まで、さらに37段とか。
階段を上っているとかなりふらつきますので、手すりにつかまりながら登りました。たったの「5度」とはいえ、平衡感覚が思った以上に鈍りました!
上の写真は斜塔の上の鐘楼から見たカテドラーレ(大聖堂)と、洗礼堂です。ここからの景色の抜群で、ピサの旧市街も一望できます。
鐘楼には、ちょっと格好をつけたガードマンが常駐しています。カミさんの要望で隠れた2Sを従順な夫が撮りました。
ここには共通入場券があり、幾つかの施設を好きな組み合わせで選んで入場できます。
斜塔の切符を買った人はこのカテドラーレの中にもただで入れます。
この中にはピサの歴史を描いたらしい多くの絵画があり、中の白い柱には赤茶系の斜線が入っていて、スペイン・コルドバのアラブ系のカテドラル・メスキータを思い出させます。
帰りにピサの旧市街のカヴァリエーレ広場を通ったら、丁度第二土曜で蚤の市が開かれていました。
骨とう品や古着、手作りの装飾品などがあり、カミさんは興味津々でしたが、私は腹が減ってしまい、文句を言われながらもアルノ川近くのオステリア・デル・ポルトン・ロッソへ向かいました。
路地裏の小さな店かと思ったら、ここは何と12世紀の邸宅を改装した店だそう!
この極めて狭い路地裏も店の一角です。
(ただ正式な許可とかを取っているかは不明です。)
このピサは海辺の街なので、フィレンツェには無い魚料理が充実しています。
写真はスパーダ(イタリア語で剣の意味)と呼ばれるカジキマグロのカルパッチョです。
私たちはもう一つ、サーモンのカルパッチョも注文。久しぶりの生の魚料理に大満足でした。
ここの経営者と話したら、シチリア島のカターニャ出身だとか。道理で魚料理が得意なはずです。私たちがカターニャに行ったことが有ると話したら喜んで、食後酒の甘いレモンチェッロをご馳走してくれました。
シチリアからは多くの人々が、北部のレストランなどで働いて成功していると聞いていますが、彼もその一人の様です。
フィレンツェ市街から一番近い市外の世界遺産「ピサ」を、手始めに選んで正解でした。
この世界遺産を巡る旅は、少しイタリア生活に慣れるまで、フィレンツェ市内や、日帰り圏の街を中心に訪ねてみようと思います
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