< フェッラーラは名門貴族エステ家のつくった街! >
フェッラーラは、フィレンツェと並ぶルネッサンス期の代表的な街だったところで、イタリア中央部・ボローニャから少し北側の中都市です。フィレンツェからも1時間ちょっとで行ける街です。朝8時、フィレンツェからイタリア版の新幹線、
フレッチャ・ロッソで快適にボローニュまで35分の短い旅。
車内は土曜日だったので、家族連れを中心に満員でした。
この「ロッソ」は、最高時速約300キロで、ナポリからローマ、ミラノ、ヴェネツィアなどを南北につないでいます。
ボローニャからフェッラーラは各駅停車に乗り換えて約1時間の旅でした。
途中の車窓からは、平坦で広々した農地が広がっていました。そのほとんどは麦畑の様です。
フェッラーラ駅から徒歩で約10分。お目当てのエステンセ城です。
フェッラーラの街は、エステ家のエレコレ1世が、1492年に「理想都市」を目指して、それまでの街を拡張して作ったものが、現代につながっています。
城はニッコロ2世が1385年に建設をはじめ、完成したのは16世紀に入ってからとか。
平地の中に濠をめぐらせた感じは、長野県の松本城を思い出しました。
建設当初は「防御」を一番の目的にしていただけに、跳ね橋や広い堀が目を引きます。
フィレンツェあたりの大理石が中心の建物とは違って、城や街中の豪邸たちのほとんどが赤レンガでできています。
城の中には沢山のフレスコ画が残されていますが、あちこちに白っぽいテープで応急処置がしてあるので、不思議に思い聞いたところ、数年前に大きな地震があり、順次修復中だということでした。
イタリアも日本と同じく「地震国」なのを思い出しました。
城の直ぐ近くでは市場が立っていました。アクセサリー、食料品、靴やバッグなど、土産物から手作り品まで様々売られています。
この城の近くには大きなカテドラルや、エステ家の別邸・スキノファイア宮殿、それに今は考古学博物館となっているコスタビーリ宮など、見どころが徒歩圏内に目白押しです。
それだけに、街中を全て歩いて回ったためか疲れて、帰る前には足が棒のようになりました。
この日は9月下旬の土曜日とあって、街中では各種のイベントが開かれていました。
これはクラシックカーのフェスタ!ポルシェ、シトロエン、フィアットなど、50年代から60年代の車約40台ほどが展示してありました。
それにしても、名車のオーナーたちが、観光客の小さな子供たちを乗せてもOKなのには驚きました。
街中の商店街では「ブドウ祭り」が開かれていました。商店街の入り口で、赤いケースに入ったグラスを6ユーロで貰い、各店の前にあるワインやつまみをあちらこちらと、たっぷり味わえるというスタイルでした。
私たちは列車の帰りの時間があったので、散歩&見学で、飲まずに引き揚げました。ちょっと残念・・・
お昼ご飯は、ヨーロッパ最古のエノテカというギネスブックにも認定されたらしい「アル・ブリンディシ」で。
ある記録には、この店はすでに1435年には存在していたとか。
ここは路上のテーブルが人気です。
ワイン酒場だったせいか、ビールも置かないという「こだわり」の店でした。グラスワインの赤は3ユーロと安い割には美味しかったです。
この街のパーネ(パン)は、硬くて、食べているとボロボロこぼれるタイプのもので、食べると口が渇いて水やワインのお代わりが必要でした。
イタリア北部には、フェッラーラのような中小都市が数多くあります。例えばパルマ、モデナ、クレモナ、マントヴァなど。
その幾つかは世界遺産に認定されていますが、主要な観光コースから外れているためか、観光客の姿は日本人含めてそれほど多くは有りません。
私たちは、「山椒は小粒でピリリと辛い」こうした街を訪ね歩きたいと思います。
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