2017年6月28日水曜日

彫刻家・ヴィーゲランの公園とオスロ国立美術館

 <”怒りん坊”と、ムンクの”叫び”との対面>


 ノルウェーの旅の最後は再びオスロへ。
 第二次大戦のころまで活躍した彫刻家・ヴィーゲランの彫刻をまとめて展示している公園に行ってきました。
  

  





 人間の労働、恋愛、家族愛、子供など、色々なテーマで、大小様々な彫刻があり、ヴィーゲランがかなり自由に制作していたことがうかがえます。

 写真にはありませんが、多くの市民が水着姿で日光浴を楽しんでいました。皆、短い夏を目いっぱい楽しもうとしていました。


 動的なものは迫力があります。

 ”愛”を感じさせるものもそれなりに・・・・

 こちらが人気者の”怒りん坊”。

 ベルギーの”小便小僧”と同様、あまりに小さいのに驚かされます。
 彫刻の大きさは子供の実物大ぐらいです。

 ユーモアあふれる作品を見て、思わず万歳してしまいました。

 周りの観光客から笑われてしまいましたが・・・

 人間たちが集結した”塔”。

 公園内でも一番目立つ丘の上にあります。

 その他にも、噴水と組み合わせた彫刻もあります。

 ヴィーゲランは解説を嫌ったらしく、それぞれの作品が、何をモチーフにして、何を伝えたかったか?
想像するしかありません。

 でも多くの作品は分かりやすいものでした。







 そして最後は国立美術館へ。

 ここにはムンクの「叫び」があります!









 この日、木曜日は入館料が無料の日でした。
 ラッキー!

 











 ノルウェーはもちろん、世界各国の著名な画家たちの作品が展示されています。













 まったく目立たないところにグレコの作品がありました。












 この優しいタッチはセザンヌかな?と思ったらその通りでした。



 こちらは誰もが分かるモジリアニの作品。














 そして、ようやく会えたムンクの「叫び」。

 縦横1メートルもない大きさですが、大勢の人々が集まって鑑賞していました。

 この絵を描いたころ、ムンクの精神状態は最悪だったとか・・・・

 対照的に、結構色っぽいのがこの「マドンナ」。

 まったく雰囲気が違いますね。











 こちらは、私がなんとなく気に入った「メランコリー」という作品。

 思い切り落ち込む前の青年の悩ましさが表現されています。

 


 ノルウェーの旅の締めは、美術館のすぐ近くの王宮へ。
 ノルウェーは豊かで(物価も高いですが)、街が清潔で、学校教育や福祉、自然環境保護の先進国です。

 日本の未来を考えるときの参考にしたい国の一つと感じました。







2017年6月27日火曜日

美しき港町ベルゲンと、北欧最大の美術館

  <ハンザ同盟時代からの木造事務所群と、名画の美術館>


 ノルウェー第二の都市ベルゲンは人口約28万。12世紀ごろから、ハンザ同盟の商人たちがノルウェー名産の干しタラを求めてやってきて栄えた港町です。
 その中心地区が「ブリッゲン」。当時の商人たちが事務所や倉庫として使っていたカラフルな木造の建物群があり、世界遺産に指定されています。
 


 港の一角で、魚介類や食べ物の売店があり、地元客と観光客で賑わっています。


 それぞれの建物の間口は7~10メートル程度ですが、奥行きは皆100メートル近くあり、驚かされます。







 入り口近くは土産物などの店に。奥の方は様々な衣料、アクセサリーなどの特産品の工房になっています。




 港町の後方に、フロイエンという山があり、街が一望できます。
(東京でいえば高尾山?)
 標高は600メートル位で、遠くのフィヨルドの一部も見えました。





 
 この山はベルゲンの人々の憩いの場、散歩、トレーニングの場でもあります。









 山の上に上ったころは青空も見えて、とてもラッキーでした。










 ベルゲンの自慢のもう一つが、ベルゲン美術館。
「KODE(コーデー)」と呼ばれ、1~4までの建物に、ノルウェーの昔の画家、現代画家、外国の画家たちの作品などに分けられて展示されています。







 
 ムンクの代表作もいくつか展示されています。

 ムンクの絵の題材には、早くに亡くなった彼の母や姉が選ばれているとか。この絵もその一つのようです。









 人々の暗い表情。
 ムンクの心の中を反映しているのかもしれません。







 そして彼自身も精神的に病んでいたとか。
 でもムンクは、最終的には70歳過ぎまで絵を描き続けていたそうです。









 ここにはピカソやセザンヌなど、諸外国の有名画家の作品も数多く展示されています。

 ピカソだけでも数点ありました。










 その他、スペインのミロの作品など、18~20世紀の近代絵画も沢山もありました。

 ノルウェーは冬の寒さが厳しいところですが、その分家々のデザインがカラフルで、居心地がよさそうです。

 夜明けが午前3時半、日没が午後11時過ぎ、最高気温が6月21日で13度、というベルゲンから、オスロに戻ります。

2017年6月25日日曜日

ノルウェー第二の街ベルゲンと絶景フィヨルド

 <フィヨルド観光の拠点・ベルゲンと絶景の旅>


  今回は45年ぶりのノルウェー旅行中。
 首都オスロから、大西洋沿いの人口約30万の港町、フィヨルド観光の拠点のベルゲンに列車で向かいました。

 午後3時オスロ発で着いたのが10時半。
 途中の車窓からの風景も雄大、そして自然の厳しさを感じさせてくれます。



 6月20日というのに、まだ雪と氷の世界です。遠くには氷河の姿も・・・・







 
 人気のソグネフィヨルドへの観光は、列車とバス、フェリーを組み合わせて移動すす周遊券を購入して回りました。

 ここはハイライトの一つ、フロム鉄道から見える大瀑布を見る停留駅。5分間の写真タイムです。


駅の展望台から間近でこの迫力!

 水しぶきが飛んできます。



 滝のすぐ横に、真っ赤な服の妖精のような女性が踊っているのが見えました。

 これもサービスのうちでしょうか?





 私も記念に一枚。

 ベルゲンはオスロより7,8度気温が低めで、
山の中のこの辺りは10度前後。
 防寒用のブルゾンは絶対必要です。









 フロムで列車からフェリーに乗り換えます。
 この辺りから雨が強くなり、デッキで素早く撮影したら、また室内に戻る、の繰り返しでした。





 
  これは出発前に、高台から見たソグネフィヨルドと港の風景です。





 フェリーからは、まるで水墨画のような風景が続きます。

 水面からの深さは約千メートル位と、とても深いそうで、一部が世界遺産になっています。

 途中で見える小さな町がとてもカラフルで綺麗です。


 静かで雄大。雪と氷の世界。

 これぞフィヨルドですね。

 雨の分だけ水の量も多く、滝の数、勢いとも最高でした。



 フェリー観光だけではありません。

 帰りのバスの車内から、急坂を降りながら、こんな景色も楽しめました。
 氷河に削られた跡。深い谷。
 ここに水があればフィヨルドです。






 道の途中にもこんな大きな滝がありました。














 ベルゲンの街に戻ったのは夜の9時。

 ホテル近くのレストランで。
 ムール貝のスープ。
 味は抜群で、ベルギーで食べたのに引けを取りません。むしろ下の方のバターの効いたスープは旨いかも?


 
 こちらはトマトソースのラザニア。
 こちらもイタリア並みの味ですが、少し濃いめかも?

 丸一日、フィヨルド観光にドップリつかり、疲れと満足感を感じました。












20歳の友との再会&巨大壁画の市庁舎

 <ノルウェーの家に訪問&ボート初体験>


 フィレンツェの語学学校には世界中からイタリア語を学びに生徒たちがやってきてます。

 中でも人口的には約500万と小国ながら、北欧・ノルウェーからも生徒が沢山いて、そのうちの一人、オスロ郊外に住む20歳の大学生イングリッドが自宅に招いてくれました。







 オスロの中心部からバスで約30分、入江を見下ろす高台の一角にあり、地下一階、地上2階の綺麗な家です。




 
 この辺りに住む人は皆ボートを持っていて、釣りをしたり、クルージングを楽しんでいるとか。








 イングリッドのお父さんもその一人で、自慢のボートで、約1時間半、湾内1周してくれました。

 かれはソフトウェアの技術者で、タイで日本車の工場のシステム開発に携わったこともあるとか。

 ちなみにボートはイタリア製で、モーターは”スズキ”製でした。







 ボートはゴムボートクラスから、中型ヨットまで様々です。










 お父さんがビール好きで、小さな缶ビールまでサービスしてくれました。









 湾内なので風も弱く波も穏やか。

 夕暮れ(夜8時から9時過ぎ?)の海は一段と美しく感じました。







 ボートにはしっかり、ノルウェーの小さな国旗が付けられていました。
 皆さん、自分の国や街を愛しているのですね。




 夕食は、余り料理は得意ではないと言うイングリッド特製の”手作りピザ”。
 ピザ専用のフライパンのようなもので焼いたのですが、これが結構美味。
 イタリアのワインと共に美味しくいただきました。





 料理を待つ間、私とお父さんはダーツに興じました。
 
 何とお父さんは、2回目で見事ど真ん中に命中させました!






 いつもやっているとはいえ、ど真ん中は珍しいらしく、本人も大喜びでした。










 この日も日没は午後11時過ぎ。

 金曜の夜だったので、近所からもロック音楽が聞こえてきたり、オスロでは野外コンサートが開催されたり、”夏の日長”を皆さん楽しんでいるようです。




 ノルウェーの人々は、近代的&合理的な一方で、自然環境を大事にしたり、ともに共存する道を選んでいるようです。










 翌朝、ベルゲンまで長い列車の旅が午後からなので、ホテル近くのオスロ市庁舎に行ってみました。





 ここはノーベル平和賞の授賞式が行われるところで、巨大な壁画が有名です。

 市庁舎の1階、2階が壁画と絵画のスペースです。







 









 壁画は圧倒的な大きさで、ノルウェー市民の歴史や暮らしが描かれています。

 間近でみても、そのパート、パートが美しく、とても感動しました。






 




 こちらはノーベルと平和賞授賞式の写真です。
 ノルウェーは今も王政で、日本の皇室とも往来があります。







 お昼は、オスロ市内の大衆食堂ぽい、ノルウェー料理のレストランへ。

 ノルウェーらしい料理といえば、この干しタラの料理。昔長い航海に出たバイキングなどが、船内食として食べたものだそうです。









 もう一つは豚のステーキ。大きなポテト、キャベツや玉ねぎの酢漬けが添えられていて、この一皿でお腹一杯でした。

 ビールはすっきりとしたピルスナー系で、ノルウェーではどこで飲んでもおいしかったです。

 次はノルウェー二番目の都市、フィヨルド観光の拠点のベルゲンに向かいます。