2015年10月6日火曜日

世界遺産 その4 バルサミコ酢で有名なモデナ

< ”こじんまり”した世界遺産の街・モデナ >

 イタリアに来て間もない私たちは、まずは日帰りで行ける北部の街を中心に、週末ごとに世界遺産の街を旅しています。
 今回のモデナはフィレンツェから北のミラノ方向へ、列車で凡そ1時間半。人口約18万の小都市です。
 ここはモデナ駅です。チョットこぎれいな駅舎でした。
 この街で有名なのは「バルサミコ酢」。10年、20年と寝かした高級品は40ml、100ml単位で何十ユーロかで売られています。
 
もう一つ、この街で世界的に有名なのは、あのイタリアを代表する車メーカーのフェラーリが、この街の郊外マラネッロで生まれたことです。
 私たちは行きませんでしたが、フェラーリ生家博物館やフェラーリ博物館があって、スポーツカーのファンなどが世界からやってきています。


 このモデナの街を歩くと感じるのは、街並みのビルの美しさです。

 フィレンツェが大理石を主としたグレー、フェッラーラが赤レンガの壁の色が目立つのに対して、モデナの建物の壁の色は、黄色、オレンジ明るい茶色など、カラフルで楽しくなります。










 
 さて、モデナの世界遺産といえば「大聖堂」「ギルランディーナの塔」、そしてその前の「グランデ広場」です。
 この写真はその「3S」ともいえます。

 モデナはローマ帝国が興される前から街の歴史が始まり、12世紀には王や貴族を追い払い、市民たちによる「自由都市」となりました。
 その後1288年、フェッラーラのエステ家に統治され、1588年にはエステ家のチェーザレ・エステ公が、フェッラーラからモデナに、その本拠を移しました。

 その後,一時期フランスやオーストリアに占領されたこともありますが、基本的にはフェッラーラ同様に「エステ家」の街と言えそうです。
 まずは写真左側のギルランディーナの塔に登ってみました。






 塔の中は吹き抜けになっていて、ところどころに見張り用の小窓があります。
 このギルランディーナの塔は、自由都市の時代に、市民たちが力を合わせて建設したものだとか。
 モデナは近くのボローニャとともに、社会主義者が多く、いち早く協同組合が設立されたところなので、王侯貴族に対する「抵抗の歴史」が今も残っているのかもしれません。

 階段は200段とか。上から見ると吸い込まれそうで、高所恐怖症の人はのぞかない方が身のためです。



 
 塔の上から下の広場や街並みが一応のぞけますが、窓には頑丈な鉄格子があって、きれいな写真が撮れませんでした。
 
 なので、展望スペースにあったポスターの写真でご勘弁ください。画面下の中央がグランデ広場です。 










 このモデナで一番感激したのがこの大聖堂です。入ると正面に金色のキリストの十字架像があります。
 
 他のドゥーモでもそうですが、イタリアの教会は多くが出入り自由で、撮影もフラッシュさえたかなければOK。
 周りの美術品や絵画も、直接さわれませんが、かなり間近に見られます。







 
 大聖堂の正面の一番奥の天井付近の絵画も見事でした!
 ステンドグラスと相まって、キリスト教徒でなくても、夢見心地にさせてくれます。


 十字架像の奥の下の方には、左右に大理石でできた美しいチャペルがありました。
 思わず柱に抱きついてしまう人もいたほどです。

 イタリア各地に多くのドゥーモがある中で、ここの大聖堂が世界遺産になった理由は納得できました。



























 大聖堂の横はコムーネ(市役所)などがあり、下はポルティコと呼ばれる屋根つき回廊が続いています。

 もう少し駅寄りにはドゥカーレ宮殿もありますが、現在も陸軍士官学校として使われているので、この日は見学不可でした。









 この広場から歩いて数分のところに、かつてのエステ家の別宅「ムゼイ宮殿」があります。
 現在は4階部分が美術館になっていて、「エステンセ美術館」(エステ家の意味)と呼ばれています。
 美術館としては中規模ですが、中の雰囲気がとてもエレガントなので「世界で最も美しい美術館」と評されているそうです。

 美術館の中にはおびただしい数の宗教画がありましたが、それらには少々食傷気味の私たちが熱心に見たのは、エステ家の財宝や豪華な食器などでした。


                              赤いサンゴの装飾品や小物も素敵でした。


   
 歩き疲れた私たちの昼食は、広場近くのオープンカフェで軽めに、ジャガイモの団子風の「ニョッキ&ポモドーロ」、「マグロのサラダ」など。
 ここで久しぶりに、「外がカリッとして、中が柔らかくもちもちした」美味しいパンに出会いました。店の人に訪ねて探したら、このような1キロ単位で販売している大きいパンでした。


 帰りがけに,市の庁舎の一角で、エステ家の昔のサロンの公開が行われていました。
 シャンデリアや壁の装飾の豪華な事!あらためて名門貴族の権勢・財力を感じました。







  このモデナからは世界的に活躍している歌手ルチアーノ・パヴァロッティも出ています。
 小さくても文化的なにおいのするモデナは「愛らしい」街かもしれません。
 
 お土産は「40年物」のバルサミコ酢でしたが、予算の関係で一番小さな入れ物(40ml)で購入しました。

 街の中心部に見どころが詰まっているので、半日か一日あれば十分に楽しめる街でした。



 





























































































































0 件のコメント:

コメントを投稿