2017年5月25日木曜日

美しき眺望と共にある”岩絵群” ヴァル・カモニカ

  <世界遺産巡りの最後は一番観光客もいない所!?>


  2年近くにわたるイタリア滞在の目標の一つ、イタリアの世界遺産巡りもいよいよ最後。
 北部のアルプス寄りの山間に点在するカモニカ渓谷(ヴァル・カモニカ)にやってきました。
ここは紀元前数千年前からの古代人たちが、岩の上に狩りや暮らしの様子を描いた「岩絵群」で知られたところです。

 ミラノからブレーシャを経て、各駅列車で約1時間半。カポ・ディ・ポンテ駅へ。
 そこから代表的な岩絵群の一つ、セラディーナ&ペドリーナ国立公園向かいました。

 道はほとんど山道で、日本なら約6百メートルの高尾山に上る感じです。
 

 線状に岩に掘られた所に苔が生えて、イラストの様になっていました。

 なので、ちょっと見ただけでは何を描いたのか分かりません。イメージ力が問われます。

 ここはアルプスの南側。
 とても切り立った山、崖が迫っていて、上の方はまだ雪に覆われています。
 この辺りも丘の上なので、こうした360度の絶景が見られます。


 山のあちこちにはユリやサボテンの仲間があちこちに咲いています。

 奥の方までいくつも岩を見ていると、段々目が慣れて、家とか人間とかの岩絵が見えてきました。

 こちらも上下中央に、狩りか何かをする人たちが見えます。

 そしてこちらは、人と〇とか✖とかの記号らしきものが数多くあります。
 いったい何?

 資料によると、農耕、航海、戦いや、魔術、などテーマは色々だそうです。

 何はともあれ、イタリアの世界遺産を「一応」全て回ったので、岩絵の横で軽くバンザイしました。

 やはり日本人ですね・・・・
 
 この辺りを見て回るのは軽いハイキングをした感じですが、二日続きだったので、初めて腰に筋肉痛が来ました。

 こうした美しい風景を見ていると、今まで訪ねたイタリア各地を思い出し、感無量です。




 上の方から、カポ・デイ・ポンテの街が一望できます。

 街の真ん中には川があり、釣り人が胴着を着て釣りを楽しんでいました。日本でいうと鮎釣り?ですが、何が釣れるのでしょう?
 
 ブレーシャに向かう線路沿いには小さな湖もあり、疲れも癒されました。

 イタリア世界遺産の旅はひとまず区切りですが、世界遺産になっていない素敵な所、再訪したい場所もあり、あと2か月ちょっとは忙しくなりそうです。
 





2017年5月23日火曜日

巡礼者のための山の上の教会 サクロモンテイ

  <アルプスふもと、人形たちによる聖地あり>


 私のイタリア長期滞在の目的の一つ、世界遺産巡りもこの夏でもうすぐ2年。残るは後2か所になりました。
 残りはいずれもミラノ近郊ですが、交通不便で、列車とバスの乗り継ぎが必要です。

 この日訪れたのはミラノから列車で約40分、ノヴァーラという町からバスに乗り継いで約1時間半。
 アルプス寄りの小高い丘の上にある聖地群「サクロモンティ」の一つ、ヴァラッッロの教会群です。


 アラブ諸国によってイスラム化された聖地エルサレムに行けない人たちのために、代わりにキリストの教えや、生き方を疑似体験できる「巡礼地」をアルプスの麓の山の上に作ったそうです。

 その一つで、最大級の「サクロ・モンテ」が、イタリア北部、アルプスに近いヴァラッロにあります。
 ここにはメインの教会を中心に40余りの礼拝堂があります。

 日本の山の上に浮かぶ「聖地」といえば、和歌山県にある真言宗の聖地・高野山を思い出しました。

 正面脇の礼拝堂に入ると、キリストの人形が眠っていました。

 ここは文字の読めない信者たちでも分かるように、キリストの教えや、その一生をしっかりとした職人技の人形とフレスコ画で表現。疑似体験させています。


 教会の正面左の礼拝堂。
 

 各部屋にはこの様なのぞき窓があります。

 中を覗くと、キリストとマリア、聖人たちの様子がリアルな人形で再現されています。

 どこも、覗くと丁度いい具合いに人形たちが制作&セットされ、迫力あります。
 カメラで覗いたそのままで良きショットになりました。





 このヴァラッロだけでも、礼拝堂は45か所もあるとか・・・・・

 中庭も美しく、周りを見下ろす景色も抜群です。

 近辺には、山道を歩かないといけない小さな礼拝堂が、幾つも山の中に点在しています。

 ここは世界遺産の一つです。しかし雨のせいもあるかもしれませんが、ほとんど観光客は来ていませんでした。
 イタリアには世界一多くの世界遺産がありますが、当のイタリア人たちは、日本人ほど関心は高くありません。ここを知っている人は余程歴史好きな人です。

 お昼休みの後メインの教会に入ったのは、私を含めて10人ほどでした。




 中はとても宗教的な雰囲気で、静かで落ち着いた雰囲気でした。








 地下の礼拝堂には、多くの信者たちから寄贈されたものでいっぱいでした。












 教会前の水場。日本と似ていますが、ひしゃくの大きさが凄い! 大きさは倍以上あり、重さは1キロほどありそうでした。

 あいにくの雨でしたが、周辺の景色も良く、とても落ち着いた聖地で、是非再訪したいところでした。

2017年5月21日日曜日

1年ぶりのミラノ 美術館とコンサート

  <イタリアならではの体験をする その2>


 間もなくイタリアの世界遺産巡りも目標達成予定なので、今回の3か月間の滞在では、「イタリアならではの体験をする」事も目標にしました。
 その世界遺産巡りの旅の途中に、1年ぶりに立ち寄ったミラノ。其の中央駅です。
 

  駅前を歩いていたら、キオスクにあった有力新聞の1面に、眞子様の婚約を報じる写真が載っていました。
 記事の内容な日本で報じられたものとあまり変わらず、婚約者の青年の名前や出身校、知り合ったいきさつなど、結構詳しく載っていました。

 国際ニュースのページには、秋篠宮ご夫妻との写真や、皇室の姻戚関係とそれぞれの宮様たちのお名前などが分かりやすく解説されていました。

 結構日本のことは記事やニュースになることも多いようです。
  
 そのミラノでまず向かったのは中心部のドゥオモ。相変わらずの迫力と美しさです。
  
 ドゥオモから歩いて10分、ミラノでまだ訪れていなかった代表的な美術館、ブレラ絵画館に行ってきました。


 ここは名前の通り、中世から近代の宗教画など絵画が多いのですが、彫刻も見ごたえありました。 
 


 おなじみの聖母子像。
 幼きキリストの顔が個性的です。

 こちらは日本でもファンが増えている人気のカラヴァッジョの作品。暗い画面が特徴です。

 ここは近代絵画は少ないのですが、こちらは珍しくピカソの作品。

 こちらは見てすぐわかるとおり、モジリアニの作品。
  
 近くには観光客にもおなじみのガレリアが変わらずありました。

 今回の「イタリア初体験」は、ミラノにある代表的なテアトロ「スカラ座」でコンサートを楽しむことです。
 ダメもとでドゥオモ前にあるスカラ座の切符売り場に行ったら、「今夜の地元スカラ座のオーケストラのコンサートなら残席がある」「7時過ぎにスカラ座の切符売り場に並べば2割引きになる」と教えてもらい、その助言に従って夕方出直しました。

 スカラ座の中はとてもゴージャス!

 私の席はバルコニーの2階席。ほぼ正面の良き席でした。

 バルコニーと客席は、濃いめの赤と一部黄金色の内装。大きなシャンデリヤと相まってため息が出るほど美しい!
 これだけで来た甲斐があったと思いました。(切符代は2割引で53ユーロ、約6千5百円)

 なので滅多にしない自撮りをしてみました。
 皆おしゃれをしていたので、私もスーツにネクタイぐらい持ってくればよかったと、少し後悔しました。

 コンサートはスカラ座付きのオーケストラで、マーラーの交響曲を約1時間半、少しの間をおいただけで通しで演奏。

 楽団員の数はほぼ100人。スカラ座はさすがに音響も良く、迫力がありました。

 感動をしながら帰路についたら、途中のドゥオモがライトアップされ、また違った美しさ。
 幻の世界へ誘ってくれました。